■データの出所

財務省: 貿易統計

■データの概要

ロシアがウクライナに侵攻するというとても残念なことが実際に起きています。これにより多くの尊い命が失われてしまっており、ロシアに対し怒りを禁じえません。ところで欧米諸国および日本がロシアに対し経済制裁を下していますが、経済制裁は日本にとっても仕組み上どうしてもマイナスの影響が懸念されます。そこで、ロシアとの輸出入額について調べてみたところ、2021年のロシアからの輸入総額は1兆5,489億円、輸出総額は8,624億円であり、輸入超過となっています。以下に2012年~2021年までも輸出入総額の推移をグラフ化してみました。輸入超過はずっと変わっていません。ロシアから見れば貿易面で日本はお得意先ということですね。

■データの視点

ロシアからの輸入総額1兆5,489億円の中で、主な品目は次の通りです。

【エネルギー系】
液化天然ガス 3,724億円
原油及び粗油 2,578億円
石炭 2,828億円
【資源系】
パラジウム 1,507億円
アルミニウム及び同合金   1,358億円
鉄鋼 454億円
木材及びコルク 553億円
【食品系】
魚介類及び同調製品 1,374億円

2021年に日本が全世界から輸入した総額は84兆7,607億円です。それからするとロシアからの輸入総額1兆5,489億円は1.8%にすぎません。しかしながら、エネルギー系の輸入額が1兆円弱であり、大きく依存していることがわかります。また、自動車の排ガス触媒用途として用いられるパラジウムはその輸入量の3割以上をロシアに依存しています。経済制裁を非難するものではありませんが、それは同時に国内の経済、産業に与える影響も大きいものと思われ、特に物価上昇は不可避と思われます。この動きに加えてECがさらにどのような影響を受けるのか、着目したいと考えています。

出所:財務省貿易統計をもとに作成