■データの出所
一般財団法人 自動車検査登録情報協会
■データの概要
一般財団法人自動車検査登録情報協会が毎年発表している自家用乗用車に関する統計によりますと、2021年3月末時点の自家用車(登録者と軽自動車の合計)は61,703,226台だそうです。この数値は自家用自動車ですので法人保有の車両は含まれません。尚、これは総数です。同協会は1世帯あたりの平均自家用車保有台数も算出して公表しており、その値は1.037/世帯となっています。ただし、これはあくまでも全国平均です。当然ですが都道府県別にその差は大きく、第1位は福井県で1.715台/世帯、一方最下位は東京都で0.422台/世帯です。
■データの視点
次のグラフは自家用の保有台数(総計)と1世帯あたりの平均保有台数の経年推移です。保有台数(総数)は近年微増です。一方保有台数(総数)の伸び以上に世帯数が増えていますので、1世帯あたりの平均保有台数は2013年3月末時点の1.083をピークに減少に転じています。この傾向は当面続くでしょう。若者の自動車離れが報じられていますので、もしかすると不可逆的なトレンドとしてこのまま1世帯あたりの平均保有台数が減少を続け、保有台数(総数)自体も減少に転じるかもしれません。円安と原油高も追い打ちをかけています。私はこのこととECとは少し関係があるのではと思っています。というのも、最近大手小売業の大型店舗をとある日曜日に個人的に視察したのですが、自動車での来店比率が目算でざっと8割程度でした。仮に1世帯あたりの平均保有台数が減少すれば、単純に考えて車での来店数が減ることになります。とすれば、その分ECに消費が向くかもしれません。とはいえ、急激に1世帯あたりの平均保有台数が減少するわけでもないでしょうから、大きな影響はないでしょう。ですが、やはり自家用車の保有台数は「消費の変化」という観点でも高い関心を持っていますので、引き続きウォッチしたいと思います。
出所:一般財団法人 自動車検査登録情報協会