■データの出所
厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)職業別労働市場関係指標(実数)
■データの概要
ECの世界ではドライバー不足が慢性化していると言われています。これはEC(ラストワンマイル)に限った話ではなくBtoBを含む物流業界全体の課題と捉えられています。では具体的にどれくらい不足しているのかについて、有効求人倍率の視点から見てみると、「自動車運転の職業」の同倍率が2021年に2.09であるということが分かりました。ここでいう自動車運転の職業とは、トラックなど貨物自動車運転手以外に、タクシー運転手等も含まれているため、あくまでも2.09は参考値として留めておきたいとは思いますが、やはり有効求人倍率が2.0を超えていますので、やはり人手不足は深刻だと考えられます。
■データの視点
とはいうものの、他の職業の有効求人倍率を見てみると、自動車運転の職業以外にも高い値の職業が並んでいて驚きます。次のグラフにあるように、建設躯体工事の職業が突出して高く他を圧倒しています。それ以外にもサービス業全般、商品販売も比較的高めです。少し驚きなのは情報処理・通信事業者です。2021年の値は1.30となっています。経年で見ると2018年、2019年頃にかけて有効求人倍率が向上し、コロナ禍で下落したという傾向でしょうか。ちなみに全体平均である職業計は1.03。全体ではイーブンな状況です。というのも、細かく見ると一般事務の職業のように、事務的職業の有効求人倍率が低い傾向にあります。その他にも低いものがあり、通算するとイーブンな状況ということでしょう。有効求人倍率は職業によって非常にバラツキ度が大きいため、1.03の数値のみを見ていると、細かな点を見過ごしてしまいます。個別にウォッチすることが重要でしょう。
出所:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)職業別労働市場関係指標(実数)