■データの出所
総務省ふるさと納税ポータルサイト「令和3年度ふるさと納税に関する現況調査について」
■データの概要
2008年より運用が開始されたふるさと納税ですが、2020年度のふるさと納税受入額は6,725億円となっています。また納税に対し返礼品を受け取ることができ、各自治体が地元の産物を納税者に提供しています。返礼品目当てでのふるさと納税件数は多いことでしょう。この返礼品の調達費用は2,783億円となっています。納税受入額に占める返礼品の調達費用の比率は26.5%になります。ふるさと納税受入額は年々増加しており、今後もおそらく数年はまだ伸びるでしょう。とすれば、必然的に返礼品調達費用も今より大きくなることとなります。
■データの視点
この二つの数値で注目したいのは返礼品調達費用、2,783億円の方です。返礼品は大半が地方産品です。この巨大な金額が動くわけですから、地方経済に与えるプラス効果としてまさに重要な存在と言えるのではないでしょうか。もう一点。ふるさと納税の申し込み方法は、そのほとんどがふるさと納税サイトからだと想定されます。ふるさと納税サイトを通じた納税申し込みによって返礼品を受け取ることができるため、やや強引ですが見方によってはECに似たモデルと言えなくもありません。2,783億円は販売額ではなく調達費用ですので、仮に調達原価50%との仮定を置けば、EC売上5,000億円以上相当という計算になります。ということで、少し乱暴な表現で恐縮ですがふるさと納税による返礼品の調達費用は「隠れEC市場規模」という見方ができるかもしれません。参考までの返礼金調達費用に関する都道府県別ランキングを作成しましたのでご参照ください。
出所:総務省ふるさと納税ポータルサイト「令和3年度ふるさと納税に関する現況調査について」を基に作成