■データの出所

フィッシング対策協議会: フィッシング報告状況

■データの概要

前回、国内におけるクレジットカード不正利用被害総額について書きました。その流れもあって今回はフィッシング報告件数について触れたいと思います。フィッシングに関する情報収集・提供、注意喚起等の活動を中心とした対策を促進する「フィッシング対策協議会」では、フィッシング報告件数を毎月Webサイト上で公開しています。同協議会によれば、2021年の月別件数を合計すると、526,504件となります。1か月平均を計算すると43,875件、1日平均で1,442件という値になります。これは凄まじい数値です。日々これだけのフィッシングが発生していると想像すると驚愕してしまいます。フィッシングが減少すると必然的にクレジットカードの不正利用被害も減少すると思いますので、フィッシングをどう防ぐか、消費者は気を付けなければなりません。

■データの視点

フィッシング対策協議会公開のデータを2017年から年別に計算してみると以下のグラフのようになりました。2021年は526,504件ですが、2020年は半分以下の224,676件、その前の2019年は55,787件です。コロナ禍で急激に増加していることがわかります。コロナ禍にあって自宅で過ごす時間の増加とともに、ECを含むインターネット利用が増加していますが、そのことが背景にあるのではないかと思われます。尚、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センターでは、「2021年中のフィッシングサイトをターゲット別に分析したところ、銀行を装ったフィッシングサイトの割合は少なく、その代わり、ネット通販サイト等のeコマースや、通信事業者、クレジットカード会社をターゲットとしたフィッシングサイトを多数観測しました。」(原文のまま)とWebサイト上で述べています。銀行は対策がしっかりしているということかもしれませんが、消費者はフィッシングの手口に引っ掛からないよう十分に注意することが求められます。

出所:フィッシング対策協議会