【マンスリーReview】2022年3月

月単位で流通全般(ECを含む小売市場、物流、卸売)を振り返り、気になった出来事、ニュース、動向等を書き記します。

■商業動態統計(2022年1月確報分)※経済産業省

小売業全体の商業販売額は12兆238十億円でした。前年同月比で1.13%の伸びです。ウイズコロナで対面販売が少しずつ元気を取り戻しているということでしょうか。一方卸売業全体の商業販売額は32兆48十億円とこちらは前年同月比で10.92%の大幅な伸びです。この主因はどうやら鉱物・金属材料卸売業にあるようです。ということは、円安による海外からの輸入材料の高騰が原因と思われます。

■メタバースに関する団体が相次いで設立

3月14日に一般社団法人Metaverse Japan(メタバースジャパン)が設立されました。またこれとは別?に、一般社団法人メタバース推進協議会というものも3月末日に設立されたようです。こちらは養老孟司氏が代表理事のようですね。前者もデジタルハリウッド大学の杉山氏が理事に名を連ねていて興味深く思います。メタバースに関するこのような動きは最近のムーブメントからすれば当然の流れでしょうか。しかし、私は両者の違いをまだうまく理解できていません。両者のミッション、目的を見ると似通っていますので、折角であれば共同で活動すればよいのではと思うのは私だけでしょうか。いずれにせよ、メタバースの発展にプラスに作用することが期待されます。当社はECを含むデジタルコマースに関するテーマを追いかけていますので、是非メタバース内でのコマースに関する議論の活性化を期待しています。

■ZOZOコスメが1周年

ZOZOがコスメサイトをオープンして1年が経過しました。同社のリリースによると、600超のコスメブランドを取り揃えているとのことです。ところで、コスメのECモールには、@COSME SHOPPING、Qoo10、NOINなどがあります。もちろんAmazonや楽天も多く取り扱っています。そのような中にZOZOがガチンコで勝負を挑んだわけですね。ただ@COSMEのサイトを見ると、ざっと2,500ブランドくらいはあるでしょうか。1年で600ブランドの取り揃えはさすがZOZOと言いたいところですが、まだまだこれからでしょう。そもそも化粧品は①製品カテゴリーが多彩、②効果・効能も多彩、③ブランド分類が多彩、④市場参入業者が(バックグラウンドも含めて多彩)、⑤販売チャネルが多彩(百貨店、通販、ドラッグストア、EC、訪販、トラベルリテール等)、と5つの「多彩」があるという特徴的なカテゴリーだと私は考えています。また、経験材と信用財が入り混じった製品特性をもっており、単に価格競争力だけでは割り切れない世界がそこにはあるようにも思えています。コロナ禍で対面チャネルが厳しいため、チャネル的にはEC市場の伸びが有力ですが、市場特性が多彩性、多様性を帯びているため、今後市場がどのように変化するのか楽しみです。

■お菓子のサブスク「ICHIGO」が横浜信金と提携

越境ECで日本のお菓子を海外向けにサブスク展開するICHIGOが、横浜信金と提携すると発表しました。横浜信金がICHIGOに顧客を紹介するとのこと。意表を突く提携ですね。ICHIGOは創業2015年ですが、既に年商40億円らしいです。売れていますね。アソートメントを見てみると確かに面白いです。日本らしさが前面に出ていて、新たなクールジャパンを想起させるものだと思います。コロナ禍で日本に渡航できない外国人にとって越境ECは日本の製品を手に入れる良い手段ですが、知名度がない製品は購入してもらえません。しかしICHIGOのお菓子の詰め合わせは、中身のブランドは知らなくても「ちょっと試してみたいな」と思わせる内容のように思えます。そのICHIGOがメガでも地銀でもなく信金と提携するというのですから、どのような展開になるのか大変興味深く思います。

■楽天と日本郵政がカタログ販売で提携

物流分野で提携している両社が、3月30日に今度はカタログ販売での提携を発表しました。全国に郵便局は約2万4,000拠点、ユニバーサルサービスとして多くの拠点を構える日本郵政ですが、維持コストの面で郵便局の有効活用は大きなテーマであります。とすればリアルを取り込みたい楽天ですので、物販分野での提携は両者の思惑が一致していると言えるでしょう。しかしながら、カタログ販売というのは、従来の日本郵政のビジネスモデルであります。特に目新しいものではないのですが、ビッグネームの両者ですので何らかの思惑やプランがあってのことだと思います。先ずは関西のみでの展開のようです。その後北海道へと展開予定とのこと。様子を見ようということでしょうか。今後の展開に注視しましょう。

■コンビニ決済収納代行手数料が値上げ予定

日本ネット経済新聞3月24日号の1面で、コンビニ各社が決済代行手数料の値上げを検討していると報じられています。1件あたり35~40円程度の値上げになるとのこと。コンビニ決済比率が高いEC事業者にとっては痛手でしょうか。料金の値上げについては、お願いする立場、される立場双方に言い分があり、誰の立場から捉えるかによって見える景色が違ってくるのではと思います。同紙によれば背景はコンビニの働き方改革にあるとのこと。以前の宅配便手数料の値上げよりインパクトは強くないようには思えますが、ともあれ負担増であることには違いはないでしょう。必要な値上げは止むを得ないとは思いますが、EC業界に大きなマイナスの影響が及ばないことを願うばかりです。

以上