■データの出所

総務省通信利用動向調査および総務省人口推計をもとに当社作成

■データの概要

総務省による令和3年通信利用動向調査によれば、過去1年間にインターネットで利用した機能・サービスと目的・用途(2021年8月末時点)において、「商品・サービスの購入・取引(計)」の率、すなわちEC利用率は58.1%となっています。また総務省統計局人口推計によれば、2022年5月1日時点の20歳以上の推定人口は1億487万人です。この両者を掛け算すると、6,093万人となります。つまりこの数字は「EC利用人口」と言えます。尚、2021年のEC市場規模は物販系、サービス系、デジタル系併せて21兆円程度と予想されます。これを6,093万人で割り算すると、1人あたりの年間平均利用金額は344,658円となります。

■データの視点

通信利用動向調査をもとに、過去からのEC利用率の推移をグラフ化してみました。2021年8月時点は58.1%ですが、2020年8月末は56.5%、2019年9月末は50.0%、2018年9月末は52.7%となっています。もっと遡ると、2015年末時点では50.8%です。これを見ると、コロナ禍でEC利用率が上昇したことがよく理解できます。換言すれば、それまでは横ばいであったとも言えるでしょう。また、2021年8月末時点の58.1%という数値ですが、SNSの利用率は74.2%、電子メール利用率は71.4%と高い値となっています。EC利用率が上昇すればEC市場規模の拡大に直結しますが、そうでなければ利用者の利用金額の増加だけがEC市場規模拡大の要素となります。コロナで潮目が変わった感がありますが、さらにEC利用率が2022年以降も伸びるのか、それとも頭打ちとなってしまうのか、大いに注目したいと思います。

EC利用率(推移過去1年間にインターネットで利用した機能・サービスと目的・用途において、「商品・サービスの購入・取引(計)」と回答した率(単位:%)

出所:総務省通信利用動向調査